2月6日に発生したトルコ・シリア大地震で被災した、シリア難民家族350世帯の方々への食糧配布を完了しました。
食糧配布を実施したトルコのシャンルウルファ県では、大地震の本震や引き続く余震による被害のほか、3月中旬以降は大雨による洪水が発生し、度重なる災害から受ける被害が増大してしまいました。
洪水は市の中心で発生し道路が滝状態になり、地震による倒壊や破損を免れた住居も、洪水による浸水被害を受けたり、多くの車が流されてしまいました。水道が止まり水質が悪化し、飲料が可能であるか、現在も検査が続けられています。地震により住居が破損し、今も屋外テントで避難生活をしている人々にとっては特に、大雨が一層生活を困難にしています。
今回の食糧配布では、地震により自分の家が破損しているため、親戚の家で生活している家族や、家が倒壊したため、市内に設置されたテントで生活している家族など、基本的な生活を送ることが困難な状態にある家族350世帯へ、約2週間分の食糧を配布しました。
避難場所で生活基盤自体が不安定である上、食糧を調達できる商店から離れた場所で生活している/食糧を調達に行くことができる家族メンバーがいないなど、食糧の調達に難しさを抱えている家族がたくさんいます。今回は個別の家庭訪問による食糧の提供をすることで、短期的ではありますが、そのような家族の方々の食糧確保に寄与することができました。
災害による危機が重なるなかで、人々の出費も増えています。住居に関する政府からの補助や支援は制度化されつつありますが、実際の避難先の特定や住居の修繕は個々の家庭で計画・手配しなければならず、経済的・心理的に大きな負担になっています。洪水により家財を失った方々もたくさんいらっしゃいます。食糧を配布することで、食費に対する家計の負担を少しでも抑えることに貢献できました。
被災者であり、2011年から続く内戦により避難を強いられているシリア難民の人々は、今回の災害でまた安全な場所、大切な人やモノを失う体験をしていらっしゃいます。
緊急支援として食糧配布へのご協力をお願いし、たくさんの方々にご支援いただき本当にありがとうございました。
【緊急食糧配布概要】
対象地:トルコ・シャンルウルファ県
対象者:紛争による避難生活を送り、地震により被災したシリア人家族350世帯
配布した食糧(一世帯分):
バスマティ米(シリア人家庭で日常的に使われる細長い米) 2kg
米 2kg
ブルグル米 2kg
乾燥パスタ麺 3kg
レンズ豆 2kg
フムス(ヒヨコマメペースト) 1kg
トマトペースト 1kg
塩 1.5kg
食用油 1リットル
砂糖 5kg
紅茶 400g
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