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綿花の収穫を終え、教室に再び溢れる笑顔


毎年恒例の盛大な綿花の収穫

毎年秋になると、トルコ南東部は綿花の収穫で大忙しとなります。

農業で生計を立てながら村で生活するシリア難民家族にとって、この時期は一年間の収入を得られる(得なければならない)大切な時期となります。

畑では、おとなだけでなく子どもも加わり、家族総出で手作業で綿花を収穫している光景が見られます。

今年は9月後半から収穫が始まり、11月中旬まで続いていました。

この時期はクラスに通う子ども達も先生達も、家族を手伝うため収穫に参加します。

シリア人家族の生計と自立の基盤となるこの時期を尊重し、私たちはこの2ヶ月間弱、クラスをお休みしていました。

お休み中も、村を訪れ子ども達や先生達の様子を見に行ったり、食糧バスケットの配布を実施していました。

この時期の食糧バスケット配布は、厳しい冬を迎え野菜の収穫が少なくなったり、商店へのアクセスが困難になる前に食糧を確保する、越冬支援の目的も含まれていました。

年末年始、トルコのシャンルウルファ県は気温が氷点下にも下る厳冬となります。

100人以上の子ども達が参加

クラスを再開すると、綿花の収穫をきっかけに他の村から移住してきたシリア人家族の子ども達も加わり、運営している2つのテント教室でそれぞれ60人、あわせて120人ほどの子ども達が参加するようになりました。

広大でなにもない農村地に、ぽつんと立っている小さなテント教室は、子ども達の活気で溢れています。

クラスを開始してから1年半弱が経過し、開始当初から参加している子ども達はアラビア語の読み書きを学び、特に年長の子ども達は文書を書くことができるようになりました。

シリアへの帰還の見通しが立たない中、未だトルコで生活していかなければならない子ども達が日常生活で必要とされ、今後トルコの公立学校への編入の助けとなる、トルコ語の授業も8月から実施しています。

当初、避難後就学経験のない子ども達が母国語であるアラビア語の読み書きができないなか、トルコ政府が推奨するトルコ語の授業を実施することは、子ども達にとってあまりにハードルが高い挑戦でした。

テント教室で1年ほど経ち、やっとトルコ語クラスの導入もできるようになりました。

「シリアに帰りたい」という思いが常に子ども達のなかにも、家族のなかにも残るなか、トルコにおける日常生活に適応していかなければならないのが現状です。

学びが子ども達の生きる力に繋がっていることを、日々目の当たりにしています。


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